2009・07
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2008/12/20 (Sat) 拝啓、未だおぼろげな姿を残すひと

ぐつぐつと小さな音に耳を傾ける。
ふわりと匂う柔らかな香りに目を閉じて。


音と香りに誘われて、脳裏に浮かぶ過去の日々。

全てが幸せな記憶。

長い間美しい記憶のままでいるあの人はどうしているのだろう。
もう自分のことも、父のことも、思い出す暇など無く、日々を過ごしているのか。

そうであるならば構わない。

いつかまた会えると夢がみれる。

ずっと、7年前に別れたあの日から、再び会えると信じて疑ったことはない。

根拠なんてどこにもない。
けれどもう二度と会えないという根拠もない。

姉もそう思ってくれているはずだと、信じていた。


そっと目を開くといい具合にシチューが煮詰まっている。

玄関のドアが開く音がして、ただいまと父が帰りを知らせる。

おかえりと微笑んで、鍋に蓋をする。


「お父さん、今日は久しぶりにシチューにしてみたの」


お姉ちゃん。
私もお母さんのシチュー作れるようになったよ。



「…ああ…いい匂いだ」

「ね、お父さん。早く食べよ?」


いつかまた一緒に食べようね。



それは幸せの香り
(されど今は少しの哀しみを含んで)

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Author:黒吉
クロマ(コーフ中尉)、ライアン、ハムロの三人の子供たちの成長を見守りつつ、三人を思いっきり悩ませてます。
いえいえ、幸せになってほしいと思ってますよ(笑)

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